お手入れ

きもののお手入れ

きもののお手入れ

大切な思い出の詰まった着物ですが、長年タンスにしまったままだったり、お着物を着用してそのままにして放置をしていると、シミが出てきたり、カビが生えたり、ほころびができてしまったり・・たとえ保管状態が良くてもきものはデリケートなものです。カビやシミを長年そのままにしてあると簡単には取れない汚れとなってしまいます。また、状態がきれいでもサイズが合わなかったりする場合もありますので、お着物のメンテナンスは定期的に行って下さい。お着物のお手入れに関することはお気軽にご相談くださいませ。お母様やお祖母様より受け継いだ着物などをご自身に合うように染め替えをしたり、若い頃に購入されて派手に感じるものを、抑えた色味に彩色直ししたりすることも可能です。
振袖や帯などの金箔部分が剥げてしまった場合は、金彩加工で美しい状態に戻すことも可能です。お手持ちのお着物のお悩みを幅広く解決することができますので、当店でのご購入の有無にかかわらず、初めてのお客様もお気軽にご相談ください。

各種お手入れ方法

丸洗い

丸洗い

大切なきものをほどかずにそのまま洗う方法です。
着用後の汚れがある場合等には、この方法がお勧めです。
ただし、年数の経過したカビやシミ・黄変などは落とすことができないので、その場合はシミ抜きなどを行ってください。

洗い張り

洗い場り

仕立てられたきものをほどいてハ縫いをし、反物の状態に戻してから水洗いをすることです。
昔から行われているお手入れの方法です。

シミ抜き

シミ抜き

きものについたシミや汚れをきちんと取り除くには、個々のシミや汚れをそれぞれにあった方法で取り除く必要があります。
特に黄変の場合、一旦その箇所を脱色し同じような色を挿していく「染色補正」をするので、高度な技術が必要となります。

染め替え

染め替え

お持ちのきものの色を薄い色から濃い色へ地色の染め替えをすることにより、雰囲気ががらりと変わります。

彩色直し

彩色直し

明るく派手になったと感じる柄の色を渋く落ちつかせた色に変えることができます。

金彩加工

金彩加工

金箔加工などは時間の経過とともに自然にはげ落ちることがよくあります。
その場合は、新たに金箔をかぶせることにより、以前の状態により近く戻すことができます。

 

きものをお召しになった後のセルフメンテナンスのご紹介

01) 風を通して汗や湿気をとる

着用後のきものは、体温や湿気をたくさん含んでいるので、すぐにそのままタンスにしまってしまうと、カビ・シミ・黄ばみなどの原因となってしまいます。
脱いだきものは、きもの用ハンガーに掛けて一晩吊るしておき、湿気を取り除きます。(一晩干すのが厳しければ、直射日光に当たらない風通しの良い部屋に最低でも2時間程度干してください)※帯・長襦袢なども同様に扱います。

 

02) 柔らかいタオルなどで埃を落とす

最低でも2時間干した後は、乾いた清潔なタオルなど柔らかいものをブラシ代わりにして、きものに付いた埃を払います。同時に、汚れやシミなどもないかきちんとチェックします。箔や刺繍の部分は非常に繊細なので、この部分の埃は丁寧に扱ってください。決してこすったりしないで下さい。

 

03) シミ・汚れを隅々までチェック

衿・袖口・前身頃・裾回り・腰などは特に汚れやすいので、要チェックしてください。シミや汚れを見つけたら、糸で印を付け、原因を忘れないようにメモなどしておきましょう。
汗などのシミに関しては、水で絞ったタオルなどで良く拭き取り、風を通します。しつこい汚れなどは、大切なきものを傷つけなために専門家に任せるおが一番いいです。
※万が一シミ・汚れを見つけても決して擦ったりしないでください(シミや汚れが他の場所に広がってしまう可能性があります)応急処置としては、ひとまずティッシュペーパーなどを重ね置きしておき、できるだけ早く専門家に相談し、処置してもらいましょう。

 

04) 半衿を外して汚れを落とす

ぬるま湯に中性洗剤を溶かしてつけておき、たたくように洗います。
タオルで水っけを取って影干しし、乾いたらアイロンをかけます。ただし、絹は縮んでしまうのでスチームは絶対に書けないでください。

 

05) シワにアイロンをかける

シワの目立つ部分には、あて布をあててアイロンをかけます。軽くおさえるように、手早くかけましょう。
※必ず当てぬのをしてください

 

アイテム別のお手入れ方法のご紹介

:ぬくもりのある内にシワを伸ばし、きもの用ハンガーなどに掛け2時間ほど干し、熱と湿気をとります。
半衿:洗える素材のものは手洗いしてOK!洗った後は絞らず陰干しをします。
小物:腰紐・伊達締め・帯揚げ・帯締めなどの小物類は、しばらく風通しの良い場所でかけておき、湿気を取り除きます。※日陰で干す
足袋:その日の内に洗い、形を整えて風通しの良い場所で陰干しした後、アイロンをかけます。
   ※汚れがひどい場合は、洗剤をつけた歯ブラシなどで軽くこすってから洗濯してください。
履物:草履を履いた後は、風通しの良い場所で陰干ししてください。
   雨の日に使用した場合は、後日で結構ですので天気の良い日に裏面を上にして干し、よく乾かしてから汚れを落とします。
   草履のお手入れ方法は、素材によって若干異なりますので以下を参考にしてください。
   ■合皮素材
    かたく絞った布で拭き、その後乾いた布で水っけをよく取ります
   ■裂地(布製のもの)
    柔らかいブラシやハケで、ホコリや汚れを落とします。
   ■エナメル(皮革)
    エナメル専用クリーナーを含ませた柔らかい布で拭いた後、乾拭きします。
   ■爬虫類(ワニ皮など)
    乾いた柔らかい布で良く拭いて汚れを落とします。

※クリーナーは、時間が経つと若干変色してしまう場合がありますので、使用する場合には注意してください。
説明書をよく読み、使用後はきちんと拭き取っておきましょう!

きものを汚してしまった時の応急措置もありますが
大切な着物をより汚さないためにも、専門店に一早く連絡して対応してもらいましょう。